【広告業界ニュース】最近話題のリワード広告についていろんな面から解説してみるよ!の話
ご無沙汰しております。もしかして高橋じゃないですか?
そう、そのもしかしての、高橋です。
いまなにかと話題のリワード広告の話をしますよ!!!!
※なけなしのSEO対策
ちょっとプログラミーングな研修とかに手を出しており、だいぶ使ってない脳みその部分を強制的にエキスパンディーンしてたら脳みそが死にました。デプロイ。これが更新が滞ってた理由です。ごめんなさい。でもプログラミング良いですね、大変よい。
先週の今まで手を出してこなかったことを割とマジで悔いております。あんな可能性まみれのものが世界中でいじくられているなんて、楽しすぎだろ。自分もがんばろう。
さて、そんなこんななちょうどここ数日間で、リワード広告周りが非常に沸いとりますので、ちょっといろいろ見てみました。
元中の人だったりするわけで思うこともあり、とはいえ「ブースト終わる説」は「動画広告元年」と同じくらい歴史のある伝統行事。全然取り上げるほどでもないだろうと思ってたわけですが、今回はちょっとApple様の意図がいろいろ具体的なご様子。
Appleからしてのリワード広告の良し悪しは明確、「やめろ」と言っている。それはリジェクト理由にもある通り「インセンティブを与えてラ ンキングに影響の出るアクションをさすな」という理由です。
AppleはiPhoneをリリース後、アプリランキングを聖なる場にしたかったのですね。
なので、マジでAppStoreで優遇しろ、系の交渉は通用しない。
※世界的にAppleにすげえFeeを支払っている課金モデル(たとえば課金系ゲームなんか)は別かもしれないです。キャンディーなんとかとか、なんとかデイとか。
結局、ものが縦に並んでいれば、その上下に価値が生まれ、上位を欲しがる事業社と、ユーザーに真摯に良いものを見せたいプラットフォーマーに分かれます。 Googleのアドワーズだってそうだ。品質やユーザビリティでスコアリングをし、ユーザーがアクションする場をキレイに保ちたいわけです。その思想はTwitter、Facebookのインフィード広告でも言えるわけです。
ネイティブ広告はユーザーを”より無意識に”誘導しやすい。それは企業や媒体側からしてもリスクなわけです。誰にとっても消費者の意図と異なるもの、期待をそぐようなものはよろしくない。広告であれ、そうじゃなかれ、リンクのマナーとして当たり前です。出来てないとダサい。上っ面の数字ばっかり追っかけてるのダサい。
「ユーザーによくないものは出さねえからいい広告作ってこいよ。」となるのも納得ですね。それにずーっと前から注目し、発明したGoogleはマジですごい。TwitterもFacebookもみんな同思想の後追いですからね。まぁいいや。
リワード広告、広告主から見たらどうか。「こんだけ叩かれてるんだからなんで金払うの?」と。
利用用途はふたつあります。ひとつはboostingとも呼ばれるストアランキング施策。インセンティブを与えてDLをコントロールし、一定期間に圧縮伸長させランキングロジックに誤認識を与え、上昇させる。
特に新作アプリなどでは鉄板のメニュー、費用対効果も良い(これは新規DLユーザーの在庫が多いことが期待されるからですね)。だいたい単価55-80円くらいですかね、最近はもっと安いのかな、1DLあたり。
普通にインストールさせるアフィリエイトだと350-500円程度はかかるので、ランキング上昇で得られるオーガニックインストールが全体感で獲得できればおおよそokになる。そして(質的観点はまた別だけど)、だいたいこの指標はクリアーできてる。
一時期はブーストしてランキングを上げるために使ったDL数の120-200%くらいの自然DLが獲得できていたように記憶してます。去年末だとさすがに効果も下がってきて60%とかだったかなあ。それでも上記単価感であれば十分ペイできてる。
もう一つはDL数稼ぎ。○○万DL突破!みたいなことを言いたい。スタートアップとか特に。
やっぱさ、一つ基準になるわけですよ、DL数。こういう座組みがあると、知られていない段階に限りますけどね。
なので今後は「え?まだDL数とか言ってんの?エーウソーDL数がKPIで許されるのは小学生までダヨネープークスクス」とかになるんでしょうか。(知らない)
えー、市場背景はこんなもんにして、この話題に点火したのは相変わらずのわれらが切り込み隊長です。
グノシー他、AppBank「モンスト攻略」ブーストでアプリダウンロード数を水増し
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20150613-00046604/
どうもGunosyが大量出稿したようでそれが目について筆を執られたとのこと。
目を付けられた媒体はモンスト攻略(某代理店とAppbankの共同メニュー)だそうで
現在このアプリはリジェクトされたりリワードメニューのオファーウォールも撤去してるみたいです。 ソシャゲ攻略系媒体のパワーはすごいですからね。マジで。
そしてそれを受けたのかなんなのか、日経ビジネスにもこの話題が登場し、ちょっと過去例を見ない広がり方をしている現在です。
スマホアプリ、操作されるランキング ランキングを意図的に上昇させる「ブースト」の内幕
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20150615/284251/
こちら非スマホマーケター向けにかなり優しく解説されているのですが、結局最後はCAリワードの堂前さんが「取り締まらないアップルも悪い。今後もやるもんね。」みたいな気合いたっぷりのコメントで締めており、再炎上の材料としてはなかなかの仕上がりになっていると感じました。
※っていうかCAの広報はなんでこれをOK出したんだろうと、、、
そして名指しリジェクトされるAppdriver。(アドウェイズ提供の大手リワードASP)
Appleが招待コードや事前登録を取締中と判明。Appdriverは名指しでリジェクト。
http://www.gamecast-blog.com/archives/65831943.html
これは結構いろんなところが驚いたと思います。
はてさて。
ちょろっとみたところ、広告主やASP側、Apple側から話されることは多いものの、媒体側で意見してる記事が少なかったので、ちょっと知ってる範囲で追記します。
大前提、リワード広告を実装しているアプリ媒体側の話をすると、昔(ざっくり2014年の夏ごろくらいまで)はUU数とかメディアの規模がほぼイコールで「リワード消化件数」なわけでしたし、それがそのまま媒体の収益規模だったわけですね。
ただ、それがちょっと最近では変わってきており、結論から言うとリワードのDL在庫は供給過多に陥っておるわけです。背景はいろいろあるんですが、最たるものがコモディティ化になるかと存じあげます。
「楽に儲かるやん」と媒体側に参加障壁もなく、案件数もある程度安定しており、アドウェイズのAppdriver、CAリワード、GREEリワードをはじめ大手ASPに参画する小遣い系メディアが多数出現しました。これにより、DLできる在庫がどんどん増えていくわけです。しかし、先述したとおり出稿する広告主の目的はDL数じゃないケースもあります(っていうかそっちがほとんどです)。
ランキングの上昇を目的としている場合、目標を達成する最小件数で実施がしたいわけです。
なので媒体は自社のMAX在庫を消化することは少なくなってきており、この消化スピードの取り合いが、激化しているわけですね。具体的にはユーザーに対するプッシュ通知とか、アマゾンギフト券等インセンティブの還元率とか、単価とか。あと、いまは17:00にスタートしてAppStoreのランキング影響タイミングにどんぴしゃ当てに行く!みたいな感じですが、昔は24時間あたりのDL数とかでしたからね。いまは大変細やかにいろいろやらんといけなくて大変そう。
なので市場としてはかなり、えげつなく苦しい状況にある。という認識でよろしいと思います。ほとんどの媒体施策は売上削ってでも案件取ってくる、みたいな感じ。
※ぶっちゃけ新規案件数はなくならないものの、増加率より価格降下のほうが激しく、微シュリンクしてそうなくらいです。
まぁみんなでしんどいわけですな。
荒れ模様な「ランキング施策したい人たち」を尻目にストアランキングの情報で言うと
LINE MUSICがトップを守りAppBankブーストも堅実に2位だけど変な音楽アプリが入ってきてなんか不穏な #AppStore定点観測 6/12
http://app.tokyo/2015/06/12/1346/
LINEミュージックはリリース当日にめざましテレビ(たしか)で取り上げられ、一気に激伸び。
公開中、LINE側のインフラがやばくなるくらい一挙にトラフィックが集まったとのこと。
公開2日目にして116万DLなんだそうで。
テレビで言えばMidomiのSoundhoundもなんか無料1位取ってたなあ、と思ったら
AppleMusic発表に関係なくmidomiがスマスマで使用され総合1位に!!
http://app.tokyo/2015/06/09/1277/
スマスマで紹介されたんだそうです。
なんだよ、結局テレビかよ。と思った次第です。
そんななか、ブーストとは関係なく今度は事前登録が取り締まられていたり、
消える予約特典。Apple、事前登録も取り締まり開始か。
http://www.gamecast-blog.com/archives/65831810.html
Appdriverといい事前登録といい、翼をもがれるアドウェイズさん。。。
記憶だと結構昔から大々的なアカウントリジェクト(結局再起不能だったって聞いてる)みたいなことやられてましたし、なんか露骨に目を付けられてて損してる気がしますね。
(某代理店の当時のブースト開発部門やそれこそCAリワードさんなんかはあまり怒られたことない気がします。※外部の感想)
っていっても、だいぶAppleは取り締まりを強化しつつ、なんていうか排他的な成長をしており、ちょっとどうなんだろうなあ、と思う次第。
ウォール広告もリワードも、リザーブも、あとiOS9のコンテンツブロック(結局自社のNewsアプリにコンテンツ寄せたいんだろう)も、なんだかいやーな感じがしてしまいまうす。
なんつって。