じぎょメモ

都内某社でデジタルマーケティングとか社内ライターとかしてがんばっている。勉強中で日頃気になったアレコレをまとめます。気持ちアドテク多めな気持ち。

【広告業界ニュース号外】媒体向けに盛りあがりがちなPMPについて思ったことを、(割と脳みそマッチョ系な)広告主のアドテクR&D担当者として書くよ。

 

おつかれさまです。高橋です。おつおつ。

お疲れですし帰りたいですしお寿司食べたいですしおすし。

今日はこんな記事を目にしました。

 

www.exchangewire.jp

 

一企業のマーケ担当者として、実際にサービスの広告周りへの投資やKPIの設計、運用・施策の評価や見直ししながら、全社横断のアドテクのリサーチや効果実験の担当もしております。

そんな自分において、PMP(Private market place)買付は、DSPはじめRTB取引体制の構築とインターネット上の顧客接点におけるブランド戦略の攻略に重要度が割と高いと認識している分野です。あんまりDSPSSPとか代理店側に勘違いしていただくとややこしいのが、広告主が抱く(おそらく正しい)期待としては、アドというよりアライアンスの観点が強いです。

 

さて、本件イイタイコトは3つあります。

 

①違和感

②REPの営業やプランナーが今後活躍すべき場所

PMP買付への期待

 

 

まずは①違和感から。

 

PMPという言葉のイメージでいくと、買い手からは、メディア価格の底上げになるのではないかという反応はないのでしょうか。

メディア価格の底上げになるのはその通りで仕方ありません。ただ広告主の方にも、それ以上のメリットがあるとは思います。今後、オープンオークションでいい枠を買うことは、現在よりも難しくなるでしょう。

 

 

ここ違和感すごい。詳細申し上げると前半は「???」で、後半は「まぁそうでしょう」です。

メディアの”収益”は底上げになるべきでしょう。それが市場のため、良いものを有利に購入できるのであれば、高く買うことに躊躇はないです。

ただ、それまで配信できていた適正価格(と広告主はDSPや代理店から言われてきた)が、上がる理由にはならないのではと(言ってしまえば半分憤りに近いものを)感じます。

「いままでの配信はviewabilityが~~」とか「取引を透明化するために~」みたいなアドオンコストを求められても、不正や不備が発生していたら補てん問題とかになりそうですし、それがない前提でやりとりさせてもらってたんだから企業努力でしょうし、透明化のほうが結果的に効率悪い、とかであればあんまり価値を感じないであります。

(こっちはなんだかんだ自社計測のセッションユニークとか事業DBとかでコンバージョン計測をしてるので)

 

ここで「じゃあ我々に介在価値がないってことですか」と逆ギレちゃう企業のみなさま、残念ながら、たぶん、おそらくそうです。

代理店さんもベンダーさんも何かしらバリューがあり、そこにFee(マージン)が発生していたものだと信じております。それを聞きたいのはこちらなのです。どういったバリューがありますか、です。

そして、聞いてる限り、そして筆者もメディア、SSP、REP、代理店、そして広告主と出入りして働いているかぎり、正直、介在価値を生むことが難しいと判断せざるを得ない企業のほうが多いのではないでしょうか。

 

しょうがないです。時代の流れです。「流れの速い業界」に来たくて面接受けたんじゃないでしょうか。ESに、志望動機にそう書いてないですか?じゃあいいじゃないですか。乗るしかない、このビッグウェーブに。

 

matome.naver.jp

 

世界的だからさ。

 

 

②REPの営業やプランナーが今後活躍すべき場所

 

最近、静かになりました。メディアレップ

もしかしたら新卒ここ数年の世代には、知らないっていう人もいるんじゃないでしょうか。時の流れは残酷です。いまでも各所頑張ってると思うんです。

 

 

メディアレップとは、代理店とメディアの仲介機能になります。

いまでこそADNWやSSPといった装置がマーケットに登場し、入稿や買付、シミュレーションが管理画面でぽちぽちできるようになりましたが、3年くらい前には「純広告」という運用レバーほぼ0で一週間貼りっぱなしというゾッとする広告メニューが主流だったわけです。(当時は当時で人に依存することが多く楽しかった。)

当時はMobageGREEMixiといった国産SNS御三家やau、メッセージF、SBお知らせメールといったキャリア系メニューなどが人気を博しておりました。こういったメニューは今のオーディエンスターゲティングとかリターゲティングとかの概念を持たず、媒体社のアドサーバから直接配信をされていたのでプレースメントの意味がとても強かったわけです。

 

んで、どう考えても「メディアの在庫数<広告主数」なわけですね。

 

だって期間保障で1週間とかだったもんですから。4枠しかないもん。

というわけでエントリー制となるわけです。最近だとLINEさんは比較的そういった取り組みを継続しております。タイムラインアドとかちょうど今頃ですかね、各社激戦。いい媒体。

 

んでまぁそういうのをまとめて代理店にプランとして設計し提案してたり、媒体の収益化向上をKPIにコンサルチックな入り方をしていたり、いろいろしてるわけですよ。

 

大体大きな広告代理店は子会社にメディアレップを有してましたね。

 

電通はPCはcci(サイバーコミュニケーションズ)、モバイルはD2C。

博報堂系はDAC(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム)、モバイルはスパイアがおりましたが、いまはユナイテッド社となり業態もメディアレップ業というよりDSPSSP事業社へとピボットしております。

GMOは「GMOアドパートナーズ」さんが、最近いろいろ入り乱れてもはや会社名を正しく把握できていないんですが機能としては持ってます。(SSPとかDMPとかがメインになってきてるのかな)

サイバーエージェントはCAモバイル社、ここはもう10年くらい前になりますか、当時もっとCAが粗々しかった時代に裏側をがっつり支える非常に重要な子会社として機能してました。

※最近、初代創業者の外川さんが離任され、それに対して感謝の辞を述べた藤田さんのブログが個人的に大変グッとくるものでした。

ameblo.jp

 

 

まぁレップの話としてはその辺までにして、個人的に申し上げたいのはPMPという取引手法の認知と拡大が、REP人材の価値の維持と向上に強く関連しているので、REP事業社の中の皆様におかれましては、どんどん外部に出てプレゼンスを発揮していくと業界全体として大変好ましい影響を持つと確信しています。

 

広告主もこれまでのオープンオークションから、PMPが増えて、まるで先物取引のバイヤーのように膨大な情報から瞬時にジャッジする能力が求められます。 直近はそこがボトルネックになりそうですね。日本の会社はまだまだ多くのワークフローにおいて人力が多いので、運用コストが爆増すると思います。単に人を 増やすだけなら簡単ですが、PMPを含めた近年のプログラマティック取引の場合は、センスがないとだめです。そういう人は、売り手側、買い手側、私たち SSPにとっても簡単に増やせない。そこがボトルネックですね。

これがナチュラルにできるのが純広告時代のREP人材だと思います。

 

もはや既存広告枠の最適化については自動化レイヤーに勝つことは大変難しいですし、

そもそも成果がちゃんと出ているのでそこに人件費を投じる理由は何一つありません。

レクタングルをどこに設置するか」じゃないです、もはや。

 

Googleを始めサプライサイドもデマンドサイドも、人間の脳が扱えるキャパシティをはるかに超えたシグナル数やデータ数、計算速度で機能しています。

人間の脳に求められるのは、メディアやユーザー(代理店とか広告主じゃなく)に寄り添った新規の広告コミュニケーションのデザイン創出です

LINEさんはその点素晴らしいと思います。NAVERまとめ、LINEスポンサードスタンプなど、広告プレイヤーよりユーザーに寄り添う形で既存のフォーマット(バナーとか)に縛られずにアドを設計しています。だからこそユーザーに受け入れられ、効果があり、収益につながるのです。

 

個人的にいろいろしらべたり、PMP事業者各社とお話をしたり、実際に配信・運用をしてみて気が付いたのが、本質的PMPとそうでないPMP構造です。

代理店さんやDSP,SSP事業社さんが仲介したいから、という背景でPMP構造という「いまDSPじゃなできない手法」をとる、というプロダクトが散見されますが、これらを広告主がそうホイホイ使うかというとちょっと甘すぎる気がします。(それで会社作っちゃったりな話も聞きますが、どうなんですかね。)

やはりDealIDで取引をコントロールできる体制は、ビジネスモデル上必須だと思います。なのでPMPをやるとなった際に「弊社営業がこれから調整しますね!」からの「単価あげないと無理ッス」なコミュニケーションはもう結構なんです。それはPMPとは言わないと思うんです。

 

PMP買付への期待

 

最初に言います。

アドではなく、アライアンスとしての期待や観点が大きいです。

なので広告代理店さんとかは、もしかすると今後このテーマで広告主を攻略していくのはむずかしいのかもしれません。

あと思ったこと。

 

プログラマティックの取引で、半分はいってほしいと思っています。単価が高いので、売り上げで言うともっとかもしれません。プログラマティック全体のオー プンオークションとすると、その中でいうとインプレッションはそんなになくても、PMP経由して取引された量でいうと半分以上くらいになりえるとは思って います。

 

 個人的にはこれはちょっとキツイと思います。

「いつまでに」の制約がないのであれですが直近2年間は全体インベントリの2割くらいじゃないでしょうか。たぶん、今後は成長率で語っていくことになるんだと思います。「2014年に比べて300%成長!」とか、最初のほうはKPIとして有効かもしれないですけど、いつまで続けるんでしょうか。成長鈍化には思い当たる理由はいっぱいありますけど、おもに人材不足(広告主の知見不足も含む)と業界構造による本質的な取り組みの阻害です。PMP自体は悪くない取り組みだと思っています。

 

PMPの価値とは何か?」それは、メディアが正しい努力をすれば報われる、ということだと思います。今までメディアの努力は、必ずしも価格に反映されて いませんでした。リターゲティングやカテゴリ配信が主要な中で、商品を頑張ってPRしても、あまりその価値に気づいてくれる人は少なかった

 

 ここにも同意です。いきなり僕の話になりますけど、いまは広告主として業務にあたっていますが、もともとはインターネット空間大好き人間ですし、メディア大好き人間です。

ちょうど1年くらい前でしょうか。メディアさんたちとの飲み会で「今後はPVが画一的な単価で売買されず、PVごとに適切な金額で取引のされる時代と環境が来る。だからアホみたいに低単価で質の低いパクリ記事でPV最大化しちゃうようなバイラルメディアとかキュレーション(笑い)なダークサイドに落ちず、ユーザーに喜ばれる”らしさ”のあるコンテンツを作り続けてほしい。それは必ず評価されます。」と酔った勢いに偉そうに豪語した記憶があります。

もちろん本心ですし、その予言は当たっていると、今でも思います。

広告主として、PMPによりPVにおける質の高い/低いが可視化され、コントロールし、

個別買付できる環境が出来てきていると思いますし、そこに投資しようと判断するのが自然な市場状況です。

 

このほかにも、広告主として期待するところにオーディエンスのコントロール、データの活用、入札機会としてのメリット、Adtech-taxを排除した適正価格における広告主・媒体主のビジネス拡大、などなどなどいくつかあるのですが、ここで言える情報ではないので、お会いしたときにでも掘り起こして下さい。

まだ高橋と会話してないよ!っていうPMP事業者の方、そうじゃなくても業界の方、興味あったらご連絡ください。(Twitterにいます)

 

あと採用も見ております、大規模なマーケティングや最先端のアドテク活用にご興味がありましたら、そういう文脈でもぜひ!!!リソース増やしてもっとでかいことやりたいねん。

 

 

twitter.com

 

思うところややあり、勢いでかいちゃった。

なんつって。